016b 東本棚 雑誌 II / East bookshelf : Magazine II

若き大辻清司が新しい写真表現と出会い学ぶことになった写真雑誌「フォトタイムス」「報道写真」「写真科学」などのグラビア、広告、記事ページです。欧米の写真動向を紹介する瀧口修造の記事や前衛的なフォトモンタージュ、洗練されたスナップを紹介していた「フォトタイムス」は太平洋戦争開戦後には「報道写真」となり、美術色がすっかり消えて科学技術力や国力を誇示する戦闘機や軍事工場などを紹介する雑誌となります。美術表現としての写真と、科学・工学的視点でモノや光景を見せる写真、そのどちらも十代の大辻清司の心を惹きつけ、強い影響を与えたことでしょう。








‎004 西壁棚 III シンナー・電気電子工作・暗室用品

壁棚に収められた木箱の中には、ラッカーやシンナーがまとめられていました。続いて、いくつかあったダンボール箱を開けると、自作鉄道模型のコントローラー、電子工作機器、スイッチング回路、大きめのモーターが入っていました。いろいろな目的に必要だったようで、電源用変圧器とAC/DCコンバーターは自作品も含めて複数あります。別のダンボールには暗室用品がまとめられており、恒温ヒーター、メスカップ、35mmフィルムクリップ、4X5シートフィルムの水洗用バスケットが入っていました。








003c 西壁棚 II 小物・その他

小さい文房具やバッジ、ジッポライターに混じって、羽子板やパイプなど今となっては珍しいものがありました。「長嶋」「中西」と名前が刻まれたものはベーゴマです。鋳鉄を型に流して作られたベーゴマには、人気プロ野球選手の名前が刻印されているのが一般的だったそうです。折り曲げられた筑波大学教授時代の名刺も出てきました。








002 西壁棚 I 玩具・土産物・写真機材・その他

大辻清司の工作机に隣接した壁棚に収められているモノたちです。あらゆるものが一緒になっており、一見整理されているとは言い難い状態ですが、一つ一つを棚から取り出して並べてみると、趣味よく選ばれたデザイン製品のコレクションに見えてしまう不思議な魅力を持っています。アサヒカメラ連載「大辻清司実験室」に掲載された作品「友人から貰ったメキシコとイタリーの土産。なぜか捨てられない時計の内蔵、去年秋に抜けてしまった私の臼歯、その他のセット」(1975)の中に登場する二つの海外の民芸品もここにありました。他にもいろいろなモノの組み合わせで作品が作れそうです。








029a 工作机下 鉱石標本セット

科学教材の鉱石標本セットです。アサヒカメラ連載「大辻清司実験室」(1975)の第一回目最初の写真が「いつも二つ、机の上にある鉱石標本」というタイトルで、机上の白­い紙の上に16番、21番の鉱石標本が置かれているものでした。その二つはこの中にありませんでした。取り出してずっと机の上に置いているうちに、どこかにいってしまった­のでしょう。








003b 西壁棚 ビン

大辻清司の工作机まわりにはピース缶同様にジャムの空き瓶もまた、ボルトやネジを整理する容器として沢山並んでいます。棚にあった瓶にはそれぞれ、細長いボルト、色違いの木ねじ、ワッシャーリング、ゴム足、補強用留め具、さらにはディバイダと呼ばれるコンパスのような製図用具やホビー用品のジオラマ素材用砂利が入っていました。








028 工作机 上・下

大辻清司は愛煙家で、桑沢デザインの授業でも「僕は煙草を吸うから君たちも好きにしたらいいよ」と学生に言うと、ピースを取り出してふかしはじめたという逸話があります。そのピース缶は作業台の周りで小物入れとして活用されており、吸殻が乗ったままの灰皿もありました。その他、作業台下の木箱の中には時計職人が使うヘアバンド型ルーペ、8mm時計旋盤と言われる小さな時計修理部品などを作るための小型精密旋盤の各種アタッチメントがありました。鉄道模型や模型エンジン、自作カメラなどの小物部品制作に使っていたのでしょう。